繁華街を歩いていると、突然「ガールズバーどうですか?」と声をかけられる。ついていったらぼったくられるんじゃないか、でも断るのも気まずい——そんな経験、ありませんか?
キャッチに対する不安の多くは、実態がよく分からないことから生まれています。「客引きは違法じゃないの?」「優良店とぼったくり店の見分け方は?」「そもそも無視していいの?」。こうした疑問に、明確な答えを持っている人は少ないのが現状です。
この記事では、風営法や迷惑防止条例の規定、実際の摘発事例、そして歌舞伎町・ミナミなど繁華街ごとの実態を踏まえて、利用者が知っておくべきキャッチの全体像を解説します。
具体的には:
- 「客引き」と「呼び込み」の法的な違い
- ぼったくり店を見抜く5つのチェックポイント
- しつこいキャッチへの対処法
- 万が一被害に遭った場合の対応
これを読めば、繁華街で声をかけられても冷静に判断できるようになります。
結論を先に言えば、興味がなければ**「大丈夫です」の一言で通過すればOK**。興味があるなら、入店前に料金を確認すれば安心です。
ガールズバーのキャッチとは
キャッチの役割と仕組み
キャッチとは、店舗の前や周辺で通行人に声をかけ、来店を促す集客活動のことです。「客引き」とほぼ同じ意味で使われますが、法的には微妙な違いがあります(後述)。
ガールズバーでキャッチが多い理由は、その経営構造にあります。ガールズバーは女性スタッフ(キャスト)に時給を支払う形態が一般的で、お客さんがいない時間も人件費が発生します。そのため、空いている時間帯にキャストをキャッチに出し、積極的に集客する必要があるのです。
キャバクラでは「売上ノルマ」を課す代わりにキャッチがない店も多いですが、ガールズバーはノルマがない代わりにキャッチがあるという仕組みが一般的です。
男性キャッチと女性キャッチの違い
繁華街で見かけるキャッチには、男性と女性の両方がいます。
それぞれの役割:
- 🧑 男性キャッチ:案内人・情報提供役として、料金やシステムを説明する
- 👩 女性キャッチ:実際にそのお店で働いているキャストが立つことも多い
女性キャッチの場合、「この子と話せるなら入ってみようかな」という動機づけになるため、店側にとっては効果的な集客手段となっています。
客引きと呼び込みの違い|法律上の境界線
「客引き」は違法、「呼び込み」はグレーゾーン
「客引き」と「呼び込み(キャッチ)」は、法律上は明確に区別されています。
| 種類 | 内容 | 法的な扱い |
|---|---|---|
| 客引き | 特定の人につきまとい、しつこく勧誘する | 違法(風営法・迷惑防止条例で禁止) |
| 呼び込み | 不特定多数に向けて店の宣伝を行う | グレーゾーン(違法とされにくい) |
居酒屋やカラオケ店の前で「空いてますよ〜」と声をかけているのと同じ性質のものは、「呼び込み」として扱われることが多いです。
ただし、声をかけた後の行動によっては違法な「客引き」と判断されることがあります。
具体例で見る「セーフ」と「アウト」の境界線
実際にどのような行為が問題になるのか、具体例で見てみましょう。
⭕ セーフな行為:
- 店前で看板を持って立っている
- 通りすがりに「よかったらどうぞ」と一言声をかける
- 興味を示した人にシステムを説明する
❌ アウトな行為:
- 断った後も長距離ついてくる
- 腕を掴んで引き止める
- 通行を妨害するように立ちふさがる
実際に、約21mにわたってつきまとい勧誘した行為が「執拗な客引き」として有罪判決を受けた事例があります(東京高裁令和2年3月24日判決)。相手が明確に拒否していなくても、つきまとい自体が違法と判断されました。
違反した場合の罰則
客引き行為に対する罰則は、以下のとおりです。
| 法律・条例 | 罰則 |
|---|---|
| 風営法(第22条・第52条) | 6ヶ月以下の懲役もしくは100万円以下の罰金(または併科) |
| 東京都迷惑防止条例 | 50万円以下の罰金または拘留もしくは科料 |
なお、新宿区や港区など、区独自の条例でより厳しい規制を設けている地域もあります。
キャッチについていくとぼったくられる?被害を避ける方法
キャッチに声をかけられると、「ぼったくりじゃないか」と不安になる人も多いでしょう。実際、キャッチ経由で入店してトラブルになるケースは存在します。ただし、すべてのキャッチが悪質なわけではありません。見分け方を知っておくことが大切です。
悪質なキャッチ・店の見分け方
以下のような特徴がある場合は、注意が必要です。
🚨 警戒すべきサイン:
- 店名を言わない:聞いても曖昧にする
- 場所が遠い:キャッチされた場所から徒歩2〜3分以上歩かされる
- 異常に安い料金を提示:「3,000円ポッキリ」など相場より明らかに安い
- 名前や連絡先を聞いても答えない:身元を明かしたがらない
- 店内が異様に暗い:入店後に雰囲気が悪いと感じる
特に「○○円ポッキリ」と言われて入店し、会計時に高額な追加料金を請求されるパターンは、ぼったくりの典型的な手口です。
入店前に確認すべき3つのこと
キャッチから入店を検討する場合は、以下を必ず確認しましょう。
✅ 確認ポイント:
- 「セット料金は何分でいくらですか?」
- 「それ以外にかかる料金(チャージ、サービス料など)はありますか?」
- 「料金表を見せてもらえますか?」
曖昧な回答しかしない、料金表を見せたがらない場合は、入店を避けるのが賢明です。
ガールズバーの一般的な料金相場については、「ガールズバーの料金相場と値段」で詳しく解説しています。相場を知っておくと、異常な価格かどうか判断しやすくなります。
もしぼったくりに遭ったらどうする?
万が一、不当な請求を受けた場合の対処法を知っておきましょう。
📌 覚えておくべきポイント:
- 法外な料金は支払う義務がない:契約は合意によって成立するため、事前説明のない料金には法的な支払い義務がない
- やり取りを録音・録画:証拠として残しておく
- クレジットカードで支払う:後から引き落としを止められる可能性がある
- 警察に相談:客引き行為自体が条例違反の証拠になる場合がある
身の危険を感じた場合は、その場を離れることを最優先にしてください。
ガールズバーでのトラブル事例については、「ガールズバーやめたほうがいい?トラブル実例」も参考にしてください。
キャッチに声をかけられたときの対応
興味がないときの断り方
キャッチに声をかけられても、興味がなければ断って問題ありません。
💡 効果的な断り方:
- 「大丈夫です」と一言で通過する
- 無視してもOK:向こうも慣れているので気にしなくて大丈夫
- 立ち止まらないのがコツ
立ち止まって話を聞いてしまうと、断りにくくなることがあります。興味がなければ、歩きながら一言だけ返すか、そのまま通り過ぎるのがスマートです。
しつこいキャッチへの対処法
断っても付いてくるキャッチには、毅然とした対応が必要です。
🛡️ 対処法:
- はっきり「行きません」と伝える
- それでも続くなら**「警察に相談します」と言う**
- 悪質な場合は実際に警察に通報できる
前述のとおり、つきまとい行為自体が条例違反に該当する可能性があります。歌舞伎町などの繁華街では、「客引き行為は違反です」という自動ガイダンスが放送されており、警察も取り締まりを強化しています。
キャッチから入店するメリット・デメリット
メリット
キャッチ経由での入店にも、いくつかのメリットがあります。
⭕ メリット:
- 割引やサービスが付くことがある
- キャストの雰囲気を事前に確認できる(女性キャッチの場合)
- 料金システムを事前に聞ける
特に初めてのエリアで店を探している場合、キャッチから情報を得られるのは便利な面もあります。
デメリット・注意点
一方で、以下のリスクも認識しておく必要があります。
❌ デメリット:
- 説明と実際の料金が異なるケースがある
- キャッチの言葉だけを信用するとトラブルになりやすい
- 店の評判を事前に調べられない
結論として、事前にネットで調べた店に直接行く方が安心です。キャッチ経由で入店する場合は、必ず料金を確認してから入りましょう。
繁華街別・キャッチの実態と注意点
キャッチの多さや取り締まりの厳しさは、エリアによって異なります。
歌舞伎町(新宿)
取り締まり強化エリアです。自動ガイダンスによる「客引き行為は違反です」という放送が流れており、警察のパトロールも頻繁に行われています。
それでもキャッチは存在し、ぼったくり被害の報告も多い地域です。特に初めて訪れる人は狙われやすいため、キャッチについていくのは避けた方が無難です。
ミナミ(大阪)
2022年7月に大阪府迷惑防止条例が改正され、ガールズバーの客引きが全面禁止となりました。
それでもキャッチは存在するのが現実です。「アビスグループ」の摘発事例など、悪質店への取り締まりは強化されていますが、完全になくなったわけではありません。
【参考】大阪府警:違法な客引き等について
渋谷・池袋
若者向けの店が多く、比較的カジュアルなキャッチが多い傾向にあります。
ただし、初心者が狙われやすいエリアでもあります。「安くて楽しいよ」という言葉を鵜呑みにせず、料金は必ず確認しましょう。
なぜ客引きはなくならないのか
ナイト業界における歴史と文化
客引きの文化は、江戸時代の遊郭における「引き手茶屋」にまで遡ります。戦後の闇市、高度経済成長期の接待文化、バブル期の繁華街——時代とともに形を変えながら、対面での集客は続いてきました。
インターネットが普及した現代でも、「その場で直接話せる」という即時性は、Web広告では代替できない強みとして残っています。
取り締まりの難しさ
客引きがなくならない背景には、取り締まりの難しさもあります。
🔍 取り締まりが難しい理由:
- 「呼び込み」との境界が曖昧:どこからが違法か判断しにくい
- 証拠収集の困難さ:つきまといの立証は容易ではない
- 人員の限界:歌舞伎町だけでも一晩に100人以上のキャッチが活動
また、繁華街ごとに暗黙のルールが存在し、地域によって取り締まりの温度差があるのも実情です。
よくある質問(FAQ)
- キャッチについていくと高額請求される?
-
優良店も多いですが、リスクはあります。入店前に料金を必ず確認し、不安なら事前にネットで調べた店を選ぶのが安心です。
- キャッチを無視しても失礼じゃない?
-
問題ありません。向こうも慣れているので、無視されても気にしていません。
- 女性のキャッチは実際に店で働いている人?
-
事前にネットで調べた店を直接訪問するのが確実です。口コミサイトや公式SNSで情報収集してから行きましょう。
- キャッチについていったら料金が高くなる?
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優良店なら変わりません。ただし「キャッチ特典」がある店もあれば、説明と違う請求をする店もあるので、事前確認が必須です。
- 外国人でもキャッチに声をかけられる?
-
観光客が多いエリアでは、英語で声をかけてくるキャッチもいます。外国人向け料金を請求されるトラブルも報告されているため、注意が必要です。
まとめ
ガールズバーのキャッチは、店舗の集客活動として行われています。つきまといや立ちふさがりがなければ違法ではありませんが、悪質な店につかまるリスクもゼロではありません。
興味がなければ「大丈夫です」と一言で通過すればOK。入店を検討する場合は、店名・料金・追加費用を必ず確認してください。「○○円ポッキリ」という甘い言葉には要注意です。
最も安心なのは、事前にネットで調べた店に直接行くこと。キャッチ経由で入店する場合も、相場を知っておけばトラブルを避けやすくなります。
初めてガールズバーを利用する方は、「ガールズバーの楽しみ方・遊び方ガイド」もあわせてご覧ください。
【参考情報】

